お墓をオリジナルで作れるブログ:17-02-20
僕の父は絵に描いたような昔気質の薩摩隼人で
良い意味でも悪い意味でも男尊女卑…
両親は娘に対して絶対的な存在で、
手をつないでくれるくらいのことはあっても、
両親と娘でべたべた甘えたり
甘やかしたりといったことは皆無だった。
いつもどこかに、
両親と娘の「線引き」のような感覚があって、
娘の頃はそれがたまらなく寂しいときがあった。
僕が幼いころ、近所に女の子が越してきた。
歳が同じだったため、すぐに友人になったのだが、
なんとその子は両親のことを
「パパ、ママ」と呼んでいたのだ。
そんな呼び方は
お人形遊びの時くらいしか知らなかった僕は、
本当に驚いた。
と同時に、
そう呼んでいるその子と
両親がとても仲よさそうに見えたのだった。
その夜僕は、
帰宅した父に勇気を振り絞って
「お帰りなさい…パパ!」と言ってみた。
するととたんに父の顔が険しくなり、
耳がじんじんするほどの大声で怒鳴られた
「日本の娘がパパなんて呼ぶな!うちではそんな呼び方は許さん!」
今になって思うと、
娘に向かってそこまでむきになって怒らなくても…
と苦笑してしまうのだが、
幼かった僕には、トラウマになるほど怖い思い出である。
あの日から30年ほど経ち、
僕にも女の子がうまれた。
折々の休みに女の子を実家に連れて帰るたびに、
面食らうことがある。
なんとあの鬼のように怖かった父が、
孫女の子にはメロメロなのだ。
「お喉渇いたら、ママにジュースもらいなさいねー」
なんて女の子に話しかけている。
思わず
「日本の娘がママなんて呼ぶな!じゃなかったの?」
と突っ込みを入れたくなるほど。
僕の甘えたかった気持ち、
父の甘やかしたかった気持ちが、
孫女の子を通してひとつにつながったように思える今日この頃…